【小説】帰り道に呼ばれる

メッセージアプリでいつもの青年に突然呼び出されたエド。待ち合わせ場所に行くと、青年が、なんだかつまらなさそうな顔をして待っていた。

2025-08-19 21:15:31
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※男男です。でも恋愛にはしない、今のところは。するときはちゃんと事前にお知らせします。
※一部の描写については一応ちょっとは調べながら書いていますが、基本は「まあメトロシティだしな」で許したってください。
梟とネジマキ鳥シリーズの作品です。1話目ぐらいは読んでおくと状況が分かりやすいかもしれません。
















「エドさん、今から会ったりできますか」
青年から突然チャットが飛んできた。
「唐突だな……まあ用事はねえからいいけどさ」
「ありがとうございます。じゃあ大学病院駅前で待ってます」
メトロシティ大学病院か。ストリートファイトで怪我をした奴が何かと運び込まれるとかなんとか。まあオレは病院とか御免被りたいところだけど。説明めんどくせえしな。

「……」
エドが待ち合わせ場所にたどり着くと、青年は珍しく、若干ムッとした顔をしてスマホをいじっていた。……地下鉄の駅で仲間からの連絡を待っているオレもこんな風に見えてるかもしれないなあとエドは思った。それにしても、こちらに気づいていないのか?エドは声をかける。
「おい、来たぞ」
「あ、エドさん」
「ぼさっとしてんなよな」
「ですね……立ち話もなんだし行きましょうか」
立ってるのオレだけじゃねえか、などとエドは頭の中で冗談を捏ねていたが、なんだか相手にそんなブラックジョークを聞く余裕がなさそうな気配を察して飲み込んだ。

2人はその辺のハンバーガー店に入った。ポテトフライを頼んで、おやつがてらつまむ。
「で?何だよ急に呼び出しといて」
ちょっとふてくされたような顔をしながら青年はポテトフライを食べている。
「月一でリハビリ行ってるんですけど」
「ふーん」
エドもちまちまポテトフライをつまむ。
「そのうち歩けるようになったりすんのか」
青年は首を振った。
「全く」
「そうか」
「せいぜい現状維持って感じですね」
まあそういうこともあるよな、と思いながらエドは話を聞いている。
「まあこれ以上悪くなっちゃいけないから仕方なく行ってるんですけど。やらされてる感っていうんですかね」
青年はドリンクを飲む。
「急に呼び出されてこんな話聞かされて、面白くないですよね」
「いや、わかるぜ」
青年はポテトフライをつまむ手を止めた。
「好きにできねえのってつまんねえんだよな」
シャドルーの実験体としていろいろ検査されたり注射を打たれたり、クソッタレな時間だった。まあこいつの場合は現状維持のために必要ではあるからちょっと違うけれど。
「大学の研究進めたいですし」
そういやそんなこと言ってたな……ドローンを作っているとかなんとか?
「いつもはハンデのことなんて全然気にしてないんですけど、否が応でも、自由がきかないことを気にする時間になっちゃうっていうか……」
それもわかる。クソみたいな夢を見て目が覚めた時とか、不安になったときにふっとサイコパワーの陰がちらつくときとか。そんなことを考え、エドは頷きながら青年の話を聞いている。
「はぁ~」

ポテトフライを食べきって、2人でゴミを片付ける。
「うわあ……めちゃくちゃ愚痴っちゃいました……」
「いや、別に気にしてねえよ。オレもイライラしてるときあるし」
青年も、エドのほうにも何かあるんだろうなあということは察した。口先だけの安易な同情ではないことが、青年には何となく伝わっていた。

2人は片付けを終えて、店を後にした。
「聞いてもらえてよかったです。今度は楽しく話しましょう!」
「おう」
「ありがとうございました。それじゃあ、また」
「またな」
エドはその場を後にした。青年のこれまでとは違う一面が見えた、かもしれない。

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