【小説】空白

エドと、街角でチラシを配る夫婦が出会う話です。

2024-12-21 17:04:51
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これを先に読んでおくといいかも。

ある昼下がり、エドが道端を歩いていると、そこまで歳をとっていない金髪の女性と、碧眼の男性の夫婦が、紙を配っているのを見かけた。二人とも、憔悴した様子だった。
そこに、ガタイが良くてガラの悪い男が、肩で風を切りながら歩いてくる。
「邪魔だ!」
ガラの悪い男は女性にぶつかり、女性が持っていた紙はバサッと宙を舞った。男はそのまま去っていった。夫婦は何も言えずに、呆然としてその場に立ち尽くしていた。
「おい!」
エドはとっさにガラの悪い男の背中に向かって叫ぶが、男はそのままどこかに行ってしまった。

すぐに足元の1枚の紙を拾うと、行方不明の子どもを探しているというチラシだった。エドは周囲に飛び散ったチラシを拾い集め、何もできずにいる夫婦に手渡した。

「あ、ありがとうございます」
女性はうやうやしくお辞儀をした。

「なあ、このガキは……」
エドはチラシに写る幼い少年を指さした。4~5歳ほどだろうか。
「息子を捜しているんです」
男性はそう言った。
「8年前にこの辺りで行方不明になりました。生きていたら12歳です。私の妻に似て綺麗な髪で、目は空のような青色。もし見かけたら教えてください」
「12歳か……」
オレと同じぐらいの歳だな、と言いかけて、口をつぐんだ。間違いなく、ふざけている、いたずらだと思われる。まあ好きでこうなったわけじゃねえが。

「私たちの息子がもし生きていて無事大人になれたなら、あなたみたいに素敵な大人になれたんでしょうね」
女性はそう言って俯き、涙をぽろぽろとこぼす。男性は女性の背中をさすった。

スマホの時計をちらと見ると、仲間との夕方の定期連絡の時間が迫っていた。
「さて、オレは行かなきゃなんねえな……ガキ、見つかるといいな」
「ありがとうございます。どうか、よろしくお願いします」
男はエドの手を握り、握手をした。
エドは頷くと、チラシを1枚手に取り、その場を去った。

ある日の家族写真

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