※梟とネジマキ鳥シリーズの作品です。1話目ぐらいは読んでおくと状況が分かりやすいかもしれません。
※男男です。でも恋愛にはしない、今のところは。するときはちゃんと事前にお知らせします。
※一部の描写については一応ちょっとは調べながら書いていますが、基本は「まあメトロシティだしな」で許したってください。
※ババ・ムワリムの口調は捏造です。
地下鉄であの青年と出会ったその日のうちに、エドはある人物とメッセージをやりとりしていた。
「なあババ・ムワリム」
「何です、エド」
「こいつの身辺を調査してほしい」
先ほど出会った青年のアカウント名を送った。
「今度は探偵ですか……」
「すまねえ、頼む」
それからしばらくして、ババ・ムワリムと呼ばれた男からメッセージの返信が来た。
「なるほど、メトロシティ市立大学の学生のようですね」
「この街大学なんかあんのか……」
「で、シャドルーとは関係あんのか?」
「シャドルーに接触した歴は一切ない、一般市民のようです」
証拠の画像を何枚か送った後、ババ・ムワリムは続ける。
「どうして彼のことを知りたいのですか?」
「……いや、色々あってな」
「そいつを家に送ってやったらメシに誘ってくれたんだけどよ、あいつ実験とか研究とか言ってて、怖くてよ」
「気持ちは分かります」
「はは」
「エドがうまいことやっているみたいで、俺は嬉しいです」
「あんたも元気にやってるようでよかった」
「俺は寝ます。おやすみなさい、エド」
「おう、おやすみ」
そうメッセージを送り、エドはベッドにもぐりこんだ。
朝目が覚めて、エドはスマホを覗き込んだ。相変わらず深く眠れていない感じで、ひどい寝起きだ。
「はあ……なんだ」
メッセージアプリに通知マークがついていた。エドはメッセージを開く。昨日の青年からだった。
「昨日はありがとうございました!もしよかったらお昼とかどうですか?都合がいい日があったら教えてください!」
「メシ?」
「はい!」
送信するなりすぐに返事が来た。なんでだよ。
「すぐ返事来るってことは今日は暇なのか?」
「昨日実験がだいぶ進んだので今日はゆっくりしようと思って」
「あんな夜までやってたらそうだろうな」
「今は図書館で論文読んでるところです」
「それはゆっくりっていうのか?」
それからエドは青年に都合のいい時間を聞いて、図書館近くに停まっているというフードトラック前で落ち合うことになった。
「エドさん!」
待ち合わせ場所に時間ぴったりぐらいにたどり着くと、あいつがいた。車椅子の青年が、こちらに向かって大きく手を振っている。この辺りはファイターが少ないらしい、オレみたいなのはかなり浮くな……とエドは思った。
「おう」
思ったより早く再び会えてうれしいのか、青年はニヤニヤしている。青年は背後のフードトラックを示した。
「ここのケバブサンドが好きなんです」
「ふーん、ケバブか」
「あっ、もしかして食事制限とか……?」
「別にそういうんじゃねえよ」
「じゃあよかった!」
フードトラックには、この手の店には珍しくスロープつきの踏み台が設置されていた。青年はそこに上り、振り向いてエドに注文を聞く。
「エドさんもケバブサンドでいいですか?」
「いいぜ」
「わかりました!じゃあケバブサンド2つ」
「あいよ。2つで1200ゼニーな」
青年は代金を支払った。エドは踏み台をやや不思議そうに見ている。
「お、あんたは初めての客だな。こいつの連れか何かか」
「あー。そうだな」
「こいつはそこの大学に入学した時からの常連でな。フードトラックってあいにくカウンターが高いだろ?それでいつも友達に代わりに注文してもらってたから、一人でも注文できるように踏み台を作ったんだ」
「なるほどな」
「俺の顔が見れて嬉しいって言ってたぜ――よし。ケバブサンド2つできたぞ」
「ありがとうございます!」
青年はエドにケバブサンドを手渡すので、エドはちょっと屈んで受け取る。それから青年が近くに広げられたテーブルのところに行くので、エドもついていき、席についた。
「昨日のお礼、僕のおごりです。召し上がれ」
「おう」
エドは大きく口を開けてサンドにかぶりついた。香ばしい肉とスパイシーなソースが刺激的だ。
「ん、うまい」
「よかった~!」
青年は同じくサンドを食べながら話し始めた。
「エドさんはいつからメトロシティに?」
「なんでそんなこと聞くんだ」
「なんとなく来たばっかりそうだなって」
「そうだよ、ちょうど数か月ぐらい前」
「へえ!」
「そういうテメェはいつからいるんだ」
「生まれも育ちもメトロっ子です」
青年は笑っている。
「ふーん。じゃあこの辺のこと詳しいのか」
「はい、詳しいですよ!何でも聞いてくださいね」
「そうだな、気が向いたら聞く……っていうか忙しいだろテメェ……け、研究とか言ってたか?」
怪訝そうな顔をしながらエドは聞いた。
「はい。忙しいですけど、楽しいですよ」
「なんかこう……ネズミに注射とかしてるんだろ……」
自分でそう言いながら、エドはあからさまに嫌そうな顔をしている。
「へへ、そんなことはしてないですよ。見に来ますか?」
「嫌なこと思い出しそうだからいい」
「そうですか……」
青年は微笑みながらも、ちょっと残念そうにした。
「そうだエドさん」
「何だ」
「どうしてこの街に来たんですか?」
「人を待ってんだよ。それで夜はいつも地下鉄の駅にいるんだ」
「へえ!映画みたいで気になります」
「ま、詳しくは言わねえけど」
「もっとエドさんのこと知りたくなってきました」
「深入りするとめんどくせえことになるぞ」
「それめっちゃ映画みたいじゃないですか、もっと興味がわいてきました」
「クソが……」
ああ……研究者風情はいつもこうだ。興味があるとか言って、あれもこれも知りたがる。ああいうのは、何かを知ることが仕事なのだろうけど、目をつけられた側からしたらたまったもんじゃない。
「教えねえからな!」
「秘密のままのほうが面白いこともありますもんね」
「ったく」
「あばよ。飯うまかったぜ」
ひとしきり話をして、エドは席を立った。
「それでは!またお話しましょうね」
「冗談抜きで死ぬからなテメェ」
「斬新な挨拶ですね」
「今日はちゃんと早く帰れよ」
「はーい」
そうしてエドはその場を後にした。
なんだか悪い気はしないけど……あいつがオレと関わってたら今度こそ何かよくないことになるんじゃないか、とエドは心配していた。
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※男男です。でも恋愛にはしない、今のところは。するときはちゃんと事前にお知らせします。
※一部の描写については一応ちょっとは調べながら書いていますが、基本は「まあメトロシティだしな」で許したってください。
※ババ・ムワリムの口調は捏造です。
地下鉄であの青年と出会ったその日のうちに、エドはある人物とメッセージをやりとりしていた。
「なあババ・ムワリム」
「何です、エド」
「こいつの身辺を調査してほしい」
先ほど出会った青年のアカウント名を送った。
「今度は探偵ですか……」
「すまねえ、頼む」
それからしばらくして、ババ・ムワリムと呼ばれた男からメッセージの返信が来た。
「なるほど、メトロシティ市立大学の学生のようですね」
「この街大学なんかあんのか……」
「で、シャドルーとは関係あんのか?」
「シャドルーに接触した歴は一切ない、一般市民のようです」
証拠の画像を何枚か送った後、ババ・ムワリムは続ける。
「どうして彼のことを知りたいのですか?」
「……いや、色々あってな」
「そいつを家に送ってやったらメシに誘ってくれたんだけどよ、あいつ実験とか研究とか言ってて、怖くてよ」
「気持ちは分かります」
「はは」
「エドがうまいことやっているみたいで、俺は嬉しいです」
「あんたも元気にやってるようでよかった」
「俺は寝ます。おやすみなさい、エド」
「おう、おやすみ」
そうメッセージを送り、エドはベッドにもぐりこんだ。
朝目が覚めて、エドはスマホを覗き込んだ。相変わらず深く眠れていない感じで、ひどい寝起きだ。
「はあ……なんだ」
メッセージアプリに通知マークがついていた。エドはメッセージを開く。昨日の青年からだった。
「昨日はありがとうございました!もしよかったらお昼とかどうですか?都合がいい日があったら教えてください!」
「メシ?」
「はい!」
送信するなりすぐに返事が来た。なんでだよ。
「すぐ返事来るってことは今日は暇なのか?」
「昨日実験がだいぶ進んだので今日はゆっくりしようと思って」
「あんな夜までやってたらそうだろうな」
「今は図書館で論文読んでるところです」
「それはゆっくりっていうのか?」
それからエドは青年に都合のいい時間を聞いて、図書館近くに停まっているというフードトラック前で落ち合うことになった。
「エドさん!」
待ち合わせ場所に時間ぴったりぐらいにたどり着くと、あいつがいた。車椅子の青年が、こちらに向かって大きく手を振っている。この辺りはファイターが少ないらしい、オレみたいなのはかなり浮くな……とエドは思った。
「おう」
思ったより早く再び会えてうれしいのか、青年はニヤニヤしている。青年は背後のフードトラックを示した。
「ここのケバブサンドが好きなんです」
「ふーん、ケバブか」
「あっ、もしかして食事制限とか……?」
「別にそういうんじゃねえよ」
「じゃあよかった!」
フードトラックには、この手の店には珍しくスロープつきの踏み台が設置されていた。青年はそこに上り、振り向いてエドに注文を聞く。
「エドさんもケバブサンドでいいですか?」
「いいぜ」
「わかりました!じゃあケバブサンド2つ」
「あいよ。2つで1200ゼニーな」
青年は代金を支払った。エドは踏み台をやや不思議そうに見ている。
「お、あんたは初めての客だな。こいつの連れか何かか」
「あー。そうだな」
「こいつはそこの大学に入学した時からの常連でな。フードトラックってあいにくカウンターが高いだろ?それでいつも友達に代わりに注文してもらってたから、一人でも注文できるように踏み台を作ったんだ」
「なるほどな」
「俺の顔が見れて嬉しいって言ってたぜ――よし。ケバブサンド2つできたぞ」
「ありがとうございます!」
青年はエドにケバブサンドを手渡すので、エドはちょっと屈んで受け取る。それから青年が近くに広げられたテーブルのところに行くので、エドもついていき、席についた。
「昨日のお礼、僕のおごりです。召し上がれ」
「おう」
エドは大きく口を開けてサンドにかぶりついた。香ばしい肉とスパイシーなソースが刺激的だ。
「ん、うまい」
「よかった~!」
青年は同じくサンドを食べながら話し始めた。
「エドさんはいつからメトロシティに?」
「なんでそんなこと聞くんだ」
「なんとなく来たばっかりそうだなって」
「そうだよ、ちょうど数か月ぐらい前」
「へえ!」
「そういうテメェはいつからいるんだ」
「生まれも育ちもメトロっ子です」
青年は笑っている。
「ふーん。じゃあこの辺のこと詳しいのか」
「はい、詳しいですよ!何でも聞いてくださいね」
「そうだな、気が向いたら聞く……っていうか忙しいだろテメェ……け、研究とか言ってたか?」
怪訝そうな顔をしながらエドは聞いた。
「はい。忙しいですけど、楽しいですよ」
「なんかこう……ネズミに注射とかしてるんだろ……」
自分でそう言いながら、エドはあからさまに嫌そうな顔をしている。
「へへ、そんなことはしてないですよ。見に来ますか?」
「嫌なこと思い出しそうだからいい」
「そうですか……」
青年は微笑みながらも、ちょっと残念そうにした。
「そうだエドさん」
「何だ」
「どうしてこの街に来たんですか?」
「人を待ってんだよ。それで夜はいつも地下鉄の駅にいるんだ」
「へえ!映画みたいで気になります」
「ま、詳しくは言わねえけど」
「もっとエドさんのこと知りたくなってきました」
「深入りするとめんどくせえことになるぞ」
「それめっちゃ映画みたいじゃないですか、もっと興味がわいてきました」
「クソが……」
ああ……研究者風情はいつもこうだ。興味があるとか言って、あれもこれも知りたがる。ああいうのは、何かを知ることが仕事なのだろうけど、目をつけられた側からしたらたまったもんじゃない。
「教えねえからな!」
「秘密のままのほうが面白いこともありますもんね」
「ったく」
「あばよ。飯うまかったぜ」
ひとしきり話をして、エドは席を立った。
「それでは!またお話しましょうね」
「冗談抜きで死ぬからなテメェ」
「斬新な挨拶ですね」
「今日はちゃんと早く帰れよ」
「はーい」
そうしてエドはその場を後にした。
なんだか悪い気はしないけど……あいつがオレと関わってたら今度こそ何かよくないことになるんじゃないか、とエドは心配していた。
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