-十二月-
冬になった。時が過ぎるのは早いものではあるものの、有海と人間無骨は時々顔を合わせて少し会話をして、つかず離れずの距離を保っていた。ちょうど期末テストが終わったところで、有海と怜奈は喫茶店でランチをしていた。二人とも、怜奈おすすめのオムライスを食べている。「そういえばあのバンドマンとはどうなの?」
「たまに会うよ」
「おお~。会ってるんだ」
「うん。たまに一緒におやつ食べたりとかしてる」
「おやつ」怜奈は目を丸くした。
「おいしそうに食べるんだ。それを見てるのが好きで」
「有海さ、その人に出会ってから、なんかすごく楽しそうじゃん」
「え、そうかな」
「そうだよー。自分では気づいてないかもだけど」
「……そうなんだ」
有海はちょっと満更でも無い顔をした。